こんにちは

前回に引き続き、東洋哲学思想のお話をしていきたいと思います。

今回は「陰陽論」です。

陰陽論とは、全ての事象は「陰」と「陽」に分けることができるという概念です。「陰」と「陽」は相互に依存や対立しあう関係にあり、これにより全体としてバランスが保たれると考えられています。

難しく述べてしまいましたが、自然界での例をあげると以下の事象が陰陽の分類になります。

太陽

また、陰陽は人体においても以下のように分類されます。

上半身 四肢 体表 背中 興奮 活動 男性
下半身 体幹 体内 腹側 鎮静 睡眠 女性

陰陽の考え方が自然界にも人体にも当てはまるというのは、前回述べた天人合一思想からも分かります。

上記のように陰陽は一般的に分類されますが、この概念を理解する上で何点か注意があります。

陰陽論を理解する上での注意点

まず、陰陽は単純に二つに分けるのでなく、細分化されます。

例えば球体に光を当てた際、影の中にも程度があり、少し分けるだけでも、最も暗い所からやや暗い所、やや明るい所、最も明るい所が存在します。

陰の中にも陰陽があり、陽の中にも陰陽があります。

これらをそれぞれ「陰中の陰、陰中の陽、陽中の陰、陽中の陽」と表現します。

さらにその中にも陰陽が細分化され。。。

つまり陰陽は無限に存在するということになります。

もう一点注意したいのが、陰陽論はあくまで相対的な概念であるということです。
つまり、何を基準としているかによって、物事が陽なのか陰なのかは変わります。

例えば気温が25度だった場合、これは暑いですか、寒いですか?
かなり暑い地域や真夏であれば25度は涼しいでしょうし、寒い地域や真冬であれば温かい気候になるはずです。

もう一つ例をあげると、身体の部分でいえば、お腹は陰に属し、男性は陽に属します。
では、男性のお腹は陰でしょうか、陽でしょうか?

お腹は背中に対して陰であり、男性は女性に対して陽に当たります。
男性の背中に対しては陰であり、女性のお腹と比較すれば陽にあたります。

つまり、視点をかえれば、同じものが陽にも陰にもかわります。

ですので、何が「陽」で何が「陰」であるという事を覚える必要は無いという事になります。

以上が陰陽論の概念です。
東洋医学を理解する上では、もう少し掘り下げて話をする事もありますが、ひとまずここまでにします。

ここでさらに、陰陽論を治療にどう活かすのかという点にも少し触れてみたいと思います。

陰陽論を東洋医学ではどう活かしているのか

例えば熱の自覚症状があるとします。
この際、単純に身体に熱が過剰な場合(陽の過剰)もあれば、体液(水分)など熱を鎮める作用が減っている(陰の不足)によって相対的に発熱している場合もあります。

実熱と虚熱という風にいいますが、治療ではそれぞれ陽が過剰であればそれを取り除き、陰が不足しているのであればそれを補って熱を冷ます方法をとります。

また、例えば腰痛などで背中側に症状が出ている場合、お腹側がどのような状態かを見極めることも非常に重要です。
また、上半身の症状が出ているときに下半身の状態はどうでしょうか?

このように陽の部位(背中、上半身など)に現れる症状の原因が陰の部位(お腹、下半身)の場合もあります。
この場合、単純に痛い所を治療するだけではなく、原因となる方も一緒に治療を行う事が望ましいと考えられます。

上記の例のように東洋医学では、ある症状に対して、相対的に陰陽の状態がどうなっているのかしっかり見極めた上で治療を行わなくてはいけません。

現代医学ではその部位だけを治療することが多いのに対して、東洋医学がなぜ全体的な状態を把握して治療するのか。
それは陰陽論が非常に重要な考え方だからなんですね。

はい、本日はここまでとします。

東洋哲学思想の二つ目まで解説いたしました。
それでは次は五行論ですね。

これまた大切な概念ですので、できる限り分かりやすくご説明しますね。