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鍼灸治療って何するの?

鍼灸

こんにちは、中野鍼灸院院長の中野です。

こちらのブログを読まれる方は、何かしら鍼灸に興味のある方と思います。

実際にこれまでに鍼灸治療を受けた方もいれば、興味があるが今一歩踏み出せないという方もいるのではないでしょうか。

治療経験のある方も、あまりよく分からないけど、よく効くから受けに来てるという人もいれば、治療院ごとに治療方法が異なるのはなぜ?など疑問もあるかもしれません。

そこで簡単ではありますが、鍼灸治療について説明したいと思います。

簡潔に説明するとすれば「鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて、身体に機械的刺激を与え、それによる生体反応を活かして疾病の治療および予防をする治療」と言ったところでしょうか。

はい、これでは当然分かりませんよね。「機械的刺激って何?(汗)」って感じだと思います。

そもそも鍼や灸による刺激でなぜ身体が変化するのでしょうか?

鍼灸治療で身体にどんな変化が?

鍼灸治療がなぜ効果があるのかという点については分かっていない点が多いのが現状です。

現時点では体の反応点(いわゆるツボです)の中に異物(金属)が入ったり、灸による熱刺が加わることで、脳がそこを治さなくてはいけない場所なんだと判断し、治すための指令を出すというのが有力な考えの一つとされています。

その際、生体に起こると考えれられている反応が

筋肉が緩み、血流が改善することで老廃物、発痛物質を流す
・痛みを抑えるための物質が放出される
・自律神経への作用により内臓機能や血管系を調整する
・免疫系への働き(白血球などの増加)や、内分泌系(ホルモンの分泌)を整える
・疼痛や痙攣などに対する鎮静作用や麻痺、知覚鈍麻に対する興奮作用が起こる

などが挙げられます。

つまり鍼や灸自体に特別な治療効果があるのではなく、それらによって生体の免疫を活性させたり、自分自身を治す力(自己治癒力)を高める治療と考えられています。

ただし、鍼灸の機序に関しては、上記のような内容が起こると推察されていますが、まだまだメカニズムに関しては解明されていない部分が多々あります。

また、これらは現代医学的な解釈となっています。

鍼灸治療の起源である中国では紀元前から治療されていたと云われています。その頃に現在のような科学的根拠に基づいて治療されていたわけではありません。

その時代には東洋医学的な視点から鍼灸治療が行われていました。

現在もその時代に記された古典に基づき、その後変化してきた中医学と呼ばれる理論による治療が行われています。
また、日本に伝わる中で、日本流に変化してきた日本鍼灸というものもあります。(東洋医学的な鍼灸の効果を説明するには、概念なども含めて基本的な知識が必要となりますので、また改めて述べさせていただきます)。

治療院ごとに施術方法が異なることがありますが、それは各先生がどのような理論に基づいて治療をされているのかによるかと思います。
大きく分けるのであれば上記に述べたように現代医学的か東洋医学的かになります。
その中でさらに細かく○○式治療や○○派、○○会などの様々な治療法に分類されます。

つまり、鍼灸治療と一言で云っても、治療法も含めるとかなりの数に分類されるのではないでしょうか。

様々な理論があり、メカニズム自体もすべて解明されている訳ではありません。
現代医学は根拠に基づく医療(EBM:evidence-based medicine)が重要とされていますので、鍼灸は科学的データが少なく、EBMでないので信じないという方がいるかもしれません。

しかし、鍼灸治療が紀元前から今日まで伝わってきたのは、先人から受け継いできた経験の積み重ねによって治療効果があると認め続けられてきたからだと思います。
そこに価値がないという事にはならないのではないでしょうか。

まだまだ鍼灸の事をご理解されていない方が多くいらっしゃるかと思いますが、自分が治療に携わる中で少しでも沢山の方に伝えていければと常々思っています。

「鍼灸とは何か」をテーマにすると、まだまだ話が広がりそうですね。。

本日はここまでにして、また改めて述べたいと思います。